エレキギターの基礎知識(レスポール編:その4)

エレキギター

この記事は全4回中4回目です。

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レスポールのバリエーションをご紹介するシリーズの第二回!なお、参考までにこの記事を書いている時点でのおおよその新品価格も書いておきますが、あくまでも参考程度ですので、実際の値段とは異なる場合があることは、ご了承ください。

豊富なレスポールのラインナップ(その2)

レスポール・スタジオ

レスポール・ジュニアは、スタンダードの廉価版という位置付けデビューしたのですが、大幅な仕様変更を行っているために、サウンドの質が異なるものとなっていました。つまり、ジュニアはスタンダードの廉価版という意味では、少し意図から外れたものだったのです。

そこで、もっとスタンダードの廉価版としてふさわしい製品の開発が求められ、その結果1983年に作られたのがレスポール・スタジオでした。

音質には関係のない装飾部分を廃し、木材のグレードを落としたりすることでコストの低減が図られているのですが、装飾を落としたことでシンプルなルックスになり、スタンダードよりもスマートな印象があります。

現行モデルの基本構造はマホガニーバック、メイプルトップ、マホガニーネック、ローズウッド指板。ボディには軽量化のためのウルトラ・モダン・ウェイト・レリーフが施されています。

ピックアップはバーストバッカー・プロを2基搭載するモデルと、フロント490R:リア498Tを搭載するモデルの2パターンが存在しています。コイル・タップ機能もついていますね。

価格は21~23万円くらい。

また、派生モデルとして、レスポール・モダン・スタジオとレスポール・スタジオ・セッションも生産されています。

レスポール・モダン・スタジオは、エボニー指板を採用し、ネックの接続部分にはモダン・コンタード・ヒールが施され、ハイポジションの演奏性が向上するなど、名前の通りにモダンな仕様となっています。ピックアップは490R/498Tで、本体価格は23~27万円くらい。

レスポール・スタジオ・セッションは、通常のレスポール・スタジオに比べ、少しゴージャス感のあるモデルです。エボニー指板、モダン・コンタード・ヒールに加え、ボディトップにAAフィギュアド・メイプルが使われるなど、見た目にもこだわって作られていますね。ピックアップは’57 Classic™および’57 Classic+。価格的には22~27万円程度で、モダン・スタジオと同じくらいですね。

レスポール・トリビュート

レスポール・トリビュートは、レスポール・スタジオの塗装をサテン・フィニッシュに変更し、コイル・タップ機能を廃したモデルです。ピックアップは490R/498T。最も注目すべき点はその価格で、14~15万円程度。ギブソンのレスポールとしては最も安い価格帯のギターです。

レスポール・クラシック

レスポール・クラシックは1990年に生産が開始され、レスポール・スタンダード1960年モデルのリイシューという触れ込みのギターです。2012年に一旦製造が中止されますが、2014年に復活。ロック向けのサウンド特性で、パンクなどには適性が高いギターです。現行モデルはピックアップにバーストバッカー61R/61Tを採用し、内部の配線はレスポール・モダン(後述)と同じものが採用されています。価格は、25~30万円くらい。

レスポール・モダン

レスポール・スタンダードは、ギブソンが2018年に倒産する以前は、最新機能を搭載したモデルと伝統的な機能のモデルが混在する状況となっていました。2019年にギブソンが再出発すると、レスポール・スタンダードは基本的に伝統的な仕様を維持する方向性に入りました。そこで、それまで最新機能を搭載していたモデルは、レスポール・モダンとして再定義されています。

マホガニーバック、メイプルトップ、マホガニーネック、エボニー指板というマテリアルが使用され、ウルトラ・モダン・ウェイト・レリーフに、モダン・コンタード・ヒール、非対称形状のスリムテイパー・ネックなど現代的な仕様が沢山盛り込まれています。

ピックアップにはバーストバッカー・プロを採用。

モダンの内部配線は、基盤型になっており、ボリュームノブにはコイルタップ機能、リア・トーンノブはボリュームやトーン機能をカットできるピュアバイパス機能、フロント・トーンノブは高音域を強調できるフェイズ機能が搭載されています。

気になる価格は、30万円程度と思われますが、実は無印モダンはあまり売ってません。ボディ表面の塗装が不透明色なのが不人気の理由なのかな・・・?

代わりにと言っては何ですが、ボディを薄くして重量を軽くしたレスポール・モダン・ライトとボディトップにAAAフィギュアド・メイプルを使用したレスポール・モダン・フィギュアドが販売されています。

モダン・ライトは18万円くらい、モダン・フィギュアドは35~45万円くらいで販売されています。

レスポール・デラックス

1968年に再生産されたレスポール・スタンダードのピックアップを、ミニハムバッカーに変更して作られたものがレス・ポール・デラックスです。

68年のスタンダード再販時には、ピックアップはシングルコイルのP-90が搭載されていたのですが、クラプトンが使用して賞賛されたスタンダードは、サンバーストカラーの2ハムバッカー仕様のものでした。

当然、ファンからは不評を買う結果となります。そこでギブソンは、苦肉の策としてP-90を取り付けていたスペースに、強引にミニハムバッカーを取り付けて発売し、デラックスと名付けます。要するに、スタンダードと同じ生産ライン上で、デラックスを製造したんですね。

デラックス誕生の裏には、生産ラインをもう一度見直す手間やコストを嫌ったとか、ハムバッカーならカスタムに載せてるからそっちを買って欲しいという思惑があったのではないかとか言われています。

このギブソンの姿勢、一見殿様商売のように見えますよね。しかし、実はそうではないのです。むしろ、良いギターを作りたいがゆえのジレンマだったのです。

当時すでに、ギターに使える良質でサイズも大きい木材は枯渇していました。楽器用の良質な木材というのは、木自体の質もありますが、その他にも音の響きを良くするために相当な長期間をかけて乾燥させてあったりしたので、無くなったからといって、おいそれと補充できるものではなかったのです。

でも、楽器メーカー的には音の良い物を作りたい。そこで、サイズ不足の木材をつなぎ合わせてギターを作ったのです。このため、シースルー塗装であるサンバーストカラーは見栄えがよろしくない。

でも、カスタムなら単一色で塗りつぶしてしまうので問題ない。こういう理由もあって、ギブソンはカスタムだけを2ハム仕様にして、その後のレスポールの主流をスタンダードからカスタムに移そうとしたようです。

しかし結局は、76年に2ハム仕様のサンバーストカラーのスタンダードが復活し、役目を終えたデラックスは1980年に生産中止となります。そのギブソンにとっても感慨深いものがあるであろうデラックスが、2015年に自動チューニングシステム「G Force」などの最新技術を搭載して、レギュラーラインに復活しました。

現行モデルはG Forceなどは廃されていますが、Les Paul 70s Deluxeという名前で、ウェイト・リリーフなどの加工は行わずに生産されています。価格は40万円ほど。もちろん今のデラックスは、継ぎはぎではありませんよ!

レスポール・シュプリーム

「最高位」を意味するシュプリームの名を冠するレスポール。レスポールの中では最も豪華な仕様です。

ボディトップにAAAフィギュアド・メイプルを使用し、ボディにはウルトラ・モダン・ウェイト・レリーフ加工が施されています。ピックアップはバーストバッカー・プロとバーストバッカー+を採用。ゴールドパーツも映える高級仕様。金ピカです。

もちろん高い。60万円くらいです。

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実はまだほかにもレスポールのバリエーションはあるのですが、キリがないのでこの辺にしておきます。(笑)ここに書いてあるもので、大方のところは押さえてあるはずだと思います。それにしても、レスポールって種類が多いですね~。

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