第45回 大阪国際女子マラソンで記録樹立
2026年1月25日に開催された第45回大阪国際女子マラソンで、エディオン所属の矢田みくに選手が日本歴代6位となる2時間19分57秒(順位は4位、日本人選手では1位)という驚異の初マラソン日本新記録を打ち立てました!大阪国際女子マラソンと言えば国内のマラソン大会では記録が出やすい大会として知られ、日本記録である前田穂南選手(天満屋)の2時間18分59秒も2024年のこの大会で記録されています。

今回のレースで私個人としては、伊澤菜々花選手と矢田みくに選手の2人に注目してレースを観戦しました。レース序盤はややゆったり目のペースで入り、先頭集団には伊澤選手、矢田選手、上杉真穂選手、松田瑞生選手と外国人選手3人が入り、5㎞以降は2時間20分ちょうど位でゴールできるペースで進んでいきます。
松田選手が16㎞あたりで遅れはじめ、23㎞あたりからは伊澤選手と上杉選手が後退していきます。30kmでペースメーカーが外れると、なんと2時間18分台、17分台の記録を持つ外国人選手に対し、ペースを上げて集団を引っ張る初マラソンの矢田選手。最終的には地力に勝る外国人選手に先行されてしまいましたが、競技場内に入ってもデッドヒートを繰り広げた矢田選手には大きな拍手を送りたいと思います。特に外国人選手に対して一歩も引かないスピリッツには感嘆しました。
一方、伊澤選手は粘りの走りを見せていたのですが、終盤に失速してしまい、自己ベストは記録したものの、少し悔しい結果(2時間27分45秒で全体8位)となってしまいました。何でもそうですが、特にアスリートは失敗や敗北は必ずついて回るものです。失敗も糧にすることで成長に繋げられますから、これからも頑張って欲しいですね。
私は、男女どちらもマラソンで日本人選手が世界と戦うためには、10000mでトップクラスの力がないといけないと思っていて、正直女子の場合だと30分30秒を切るくらいの力が必要と考えています。ちなみに日本人女子で30分30秒を切っているのは、歴代の記録全部をひっくるめても、新谷仁美選手(30分20秒44)ただ一人であることを考えれば、いかに高いハードルであるかわかりますね。

しかし、これまでのオリンピックや世界陸上を見ている限り、中長距離では、ほとんどと言っていいくらい日本人選手がラストの勝負でスピード負けしてしまっています。まあ長距離部門では世界といっても、強いのはほとんどケニアかエチオピア出身の選手ばかりなんですけどもね。
ですので、スピード勝負になったときに負けないようにするには、その種目の一つ距離が短い種目(例えば10000mなら5000m、マラソンなら10000m)で高いレベルの記録を出さないといけないと思っています。
もちろん、選手個々の適性もあり、一定ペースならどんなに距離が長くても押していける選手もいれば、前半から飛ばして後半粘るという選手もいます。しかし、やはりレース終盤になってくると、一気にペースを上げられるスピードがモノを言うのです。
日本人選手の中でトップになるとか、ケニア・エチオピア出身以外の選手と戦えればそれでも良いという考えならば、そこまでのスピードは必要ないのでしょうけど、世界大会でメダルを狙うなら、今の時代はスピードが大事だと思います。
矢田みくに選手ってどんな選手?
今回素晴らしい記録を打ち立てた矢田みくに選手は、熊本市立力合中学校、ルーテル学院高校出身で、この記事を書いている時点ではエディオンに所属しています。全国高校駅伝で1区のエース区間を任されて力走していたことを覚えている方も多いことでしょう。

2025年のクィーンズ駅伝でもエース区間である3区で区間3位と好走。区間1位(五島莉乃選手)と2位(廣中璃梨花選手)が区間新記録だったことを考えると、矢田選手もかなりいい走りだったことがわかりますね。
5000mは15分19秒67、10000mは31分12秒21の記録を持ち、2025年の東京世界陸上では10000m代表に選出され、20位に入っています。美人ランナーとしても話題になる選手ですね。
先ほど、私は10000mで30分30秒切りが必要と書きました。ですがこれは金メダルを狙うにはという意味であり、マラソン選手にとって非常に高いハードルです。矢田選手はこれからはマラソンをメインに取り組んでいくでしょうけども、私の個人的な意見ですが、5000mであと20秒、10000mでもあと30秒記録を短縮できれば、マラソンでもかなり良いところ、例えばオリンピックで表彰台、を狙えるんじゃないかと思います。
まあ、言うは易し行うは難しで、実際に上の条件を達成するのはかなり難易度が高いと思います。ですが、今回の走りを見ていて、前傾姿勢が崩れない美しいフォームは今後に大きな可能性を感じましたので、きっとこれからも研鑽を重ねれば、すばらしい結果につながると信じています。久々に世界と戦える可能性を感じさせるランナーが出てきましたね。今後の彼女の活躍に期待です!


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